concept
Science of Safety
安全には、根拠がある。
いま、ふたたび注目されている住宅の安全性。
法律で定められた耐震基準も、
じつは暮らしを続けていくために十分とはいえません。
どんな家なら、いつまでも家族の命と暮らしを
守り続けることができるのか?
安全性に“根拠”をもたせるために、
構造の専門家たちの挑戦は続いています。
自分らしくデザインした暮らしを
続けるための「構造計算」
「構造計算」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。簡単にいえば、建物全体の力のかかり具合をみて、安全性を確認するための計算のこと。いま、木造の家づくりにおいて注目されているのが、この構造計算です。家を建てるということは、自分らしい理想のライフスタイルを具現化する作業といえます。どんな間取りにしようか。どんな質感にしようか。家づくりにおいて、自分好みのデザインや暮らしやすさは大事なポイントになるでしょう。しかし、そうやって“自分らしくデザインした暮らし”をいつまで続けることができるのか。40年、50年先を考えたときに、持続性は大きなテーマとなります。だからこそ、デザインや機能性と同じように、家そのものの安全性や頑健さに、そして、それを実現するための構造計算にも意識が向いてきているのです。
安全性を確保するための
重要なステップ「構造計算」
簡単に言えば、構造計算を行った建物のほうが、安全性に対する信頼度が高いと言うことができます。専門家による構造計算を行うことは、安全性を確保するうえでたいへん重要なステップとなります。ゆえに建築基準法では、建てるときに構造計算をしなければいけない建物はこれ、と明示されているのです。
1.住宅などの木造建築物で階数が3以上のもの
2.住宅などの木造建築物で延べ面積が500平方メートル以上のもの。
これが、法律で定められた基準です。でも、ちょっと考えてみてください。私たちが住む住宅の多くは3階建てでも、500平方メートル以上でもありません。つまり、一般的な木造住宅の多くは「構造計算を行わなくてもよい」という実質的な基準のうえで建てられているということ。
すべての木造住宅に「構造計算」を。
それが、これからの家づくりの新常識!
建築基準法で考えられている建物の安全性とは、地震などが起きても「最低限、人の命が守られる」という範疇で考えられたものです。家が破損して住めなくなり、普段の暮らしが壊れるというところまでは想定されていないということに、注意が必要です。
既存の法律の基準では、大切な暮らしを守れないかもしれない。構造計算がいま注目されている理由は、こんなところにもあります。家は、暮らしそのものと言うことができます。家があるからこそ、思い描くライフスタイルが実現できる。それを40年、50年と続けていくために。いまこそ構造の専門家と一緒に家を建てるということを、新しい常識として考えてほしいのです。